冗談ではなく、渡英して最初の数年は、程度の差こそあれ一年のうち1/3を風邪の症状に悩まされたものです。たかが風邪、されど風邪。喉の痛みや止まらぬ咳、鼻づまりは夜も眠れぬほどで、本当につらいものです。日本から持参した薬の効かないことといったら。やはり、日本の風邪とイギリスの風邪では種類が違うのでしょう。ちなみにイギリスでは、風邪ごときで現地のお医者さんに行くと追い返されるそうです。インフルエンザですら、薬局で薬を買って飲んで寝てください、とのことですので、風邪やインフルエンザで病院に行くときはプライベート医院に行くのが確実です。
やはり「郷に入りては郷に従え」。今回は風邪ごときでは病院なぞに行かない!というイギリス暮らしの長い方々に教えてもらった、効果的なものたちをご紹介します。(イギリスの風邪対策~予防編/お勧めグッズ3選はこちら:インフルエンザワクチン接種の摂取場所と値段はこちら)
風邪の引き初めには
①エキナセア
エキナセアというハーブ。イギリスにきて初めて聞く方が多いのではないでしょうか。ハーブ先進国のドイツで有効性を認定されており、医薬品レベルの効果があるとされるものです。ここイギリスでも、初期の風邪から、インフルエンザの予防および改善にまで絶大な信頼を誇るそう。(子どもの病気にはなんでもカルポール一択というこの国なので、この大雑把さにも納得)タブレット、カプセル、のど用スプレー、お茶など、さまざまなバリエーションがありますので、お好みで。
バリエーションの広さからみて分かるようにこの製品、イギリス人にとっては定番のようなのですが・・妊娠、授乳中、子どもへの使用はNG、長期にわたっての連続使用もNGなどありますので使用の際にはご注意くださいね。(上記のNG項目がひっかかり、わが家では常備はしているものの出番のない常備薬なのです。残念。)
②エルダーフラワー
エルダーフラワーというハーブ。こちらも、イギリスではじめて聞く方が多いのではないでしょうか。初夏にクリーム色のかわいい花を咲かせます。こちらも初期の風邪の症状全般(鼻水、のどの痛み等)、インフルエンザの予防、改善にきくとされています。残念ながら私にとっては劇的な効果は得られなかったものの、味がおいしい!コーディアルを炭酸でわるなどして、普段の生活で楽しんでいます。おいしく風邪予防をしたいという方にお薦め。
のどの痛みには
①うがい薬
薬剤師さん、および在英歴の長い皆さんからお勧めされるのがこの薬。消毒薬なのですが、薄めてうがい薬としても使えます。しかしながら、これがまさに消毒液そのもの!においも味も、最強。耐えられるならば、これを利用しなさい、と皆さんおっしゃいますが、本当にキツイのですよ。効果はそこそこあります!
そうはいっても、できればもう少しマイルドな使いやすいものを…という方は、日本からイソジンを持ってくるのが無難ですね。
②のど飴
イギリスでのど飴といえば、Strepsils。味もおいしいですし、なめている間はのどの痛みも楽になります。オレンジ味やストロベリーなど様々なバージョンがありますが、私はこの味が一番好きです。
日本でも人気のRicolaも薬局やスーパーなどで売っていますよ。こちらは、エルダーフラワー味。
鼻づまり&咳には
Vicks VapoRub(ヴイックスヴェポラッブ)
塗る風邪薬として、日本でも有名ですね。子どもの鼻づまりがひどく、咳もとまらずに薬局にかけこんだときのこと、薬剤師さんがこれを足裏にたっぷり縫って、靴下をはかせてあげなさい、と自信満々に取り出してくれたのがこれ。「足裏・・?」半信半疑ながら行ってみると、不思議不思議!鼻づまりがすっきり解消されて、なぜか咳込みもピタッと止まり、わずか5分後にすやすや寝てくれたではありませんか。なんでもイギリス流の民間療法?だそうです。
その後、ご主人が製薬会社勤めの複数の友人からも、「なぜか分からないけれど効く!」と太鼓判をおされたこともあり、わが家の常備薬になりました。
赤ちゃん用もありますよ。
複合的な症状には~のど、鼻、だるさなど
Manuka Honey(マヌカハニー)
ようはハチミツなのですが、「マヌカハニーは抗菌、炎症作用があって、ニュージーランドの医療現場でも使われているほどなのよ」とニュージーランド出身のママさんから教えてもらって試したところ、その効果に感動。
のどが急に痛くなり、その日のうちにうがいで撃退できればよし、そうでなければ1~2か月もの間苦しむ・・というのが私がイギリスでひく風邪のパターンだったのですが、これをスプーンひとさじなめてみたところ、即効でのどの痛みがひきました!なめた瞬間からなので、これほどの痛みが緩和されるなんて、と心底驚きました。さらに何がすごいかというと、その効果の持続性。のど飴は、なめている間はききますが、なめ終わるとまた痛みがぶり返します。マヌカハニーは何時間も効果があります。つまり、寝る前になめれば翌朝まで大丈夫。
さすが医療現場でも使われるだけあります。朝、昼、晩とひとさじ舐めるというのを3日続けたところ、すっかり完治。子どもの咳もすぐに収まりました。(もちろんハチミツなので、赤ちゃんにはNGですよ。)子どもの鼻水はいつも数か月出っ放しだったのが、これまた1週間で治るという奇跡。値段だけのことはあります!
各社から様々でていますが、すでに風邪などの症状が出てしまった後の治癒目的ならば、MGO400+、UMF15+のものがお勧めとのこと。風邪などの予防目的ならば、MGO100+、UMF10+程度でもよいそうです。(値が下がれば値段もぐっとお手頃になります)
何種類か試した中で、いま上の子どもが一番気に入っているのがSteens。効果があるような気がして、いつも『rawタイプ』のもので探しています。
とあるHolland & Barrettの店頭ディスプレイでは、マヌカハニーが全面に。その効果がうかがい知れる!?
店内POPには、MGOとUMFの換算表もありました。
番外編
ターメリック
行きつけのお店のインド人のおばあちゃんが、わが子のひどい鼻水をみて、「あらあらかわいそうに、赤ちゃんにターメリックをあげてる?」と聞いてきたのです。ターメリック=ウコン!?と驚く私。(日本のCMのイメージからか、ウコンといえば、ウコンの力のイメージがぬぐい切れません)
味もにおいも濃そうなものを一体どうやって飲ませればよいのかときくと、「ティースプーン一杯分を朝晩のミルクにまぜればいいのよ」とのこと。さっそく購入してミルクにいれてみると、普通に飲んでくれたことにまたまたびっくり。(結構、そのまんまウコンなのですが)上の子にも牛乳に入れて飲ませてみると、「おいしい!」とのこと。(この発言に味覚を疑ってしまいますが、飲んでくれるならばよしとしましょう。)
それ以来、子どもに風邪の初期症状を察知したら、ウコン入りミルクor牛乳も試すことにしています。ティースプーン一杯というのもちょっと多いかなぁと思ったので、初期症状程度のうちは、2~3回上からぱっぱとふりかけるだけです。まぁこれは、とあるインドのおばあちゃんの知恵ということで、どれほどの効果があるかは未知数ですが、ご参考までに・・・。
と思っていたのですが、後日Holland & Barrett店内にて発見したのが、「ターメリックラテ」。ターメリックを見る目が二日酔いにきく→健康によいに変化した瞬間でした。
さて、いかがでしたでしょうか。すでに若干はじまりつつある、イギリスの冬…抜かりない対策をして、もし風邪をひいてしまったとしても早期撃退して乗り切りましょう!